新しく建立したお墓の開眼法要と納骨式を行った。
初盆が2週間後に迫っていて、それに何とか間に合わせることができた。納骨式と初盆を合わせてやってもいい、というのは後から知ったことだった。
朝の9時半。霊園に到着すると、まず管理事務所に出向いて、役場からもらった改葬許可証を提出した。
すでに出席者全員が集まっていて、すぐに式を始めることにした。
新しく建立した父母のお墓の前に全員が移動する。出席者は私と妻、二人の姉と義兄と甥、それと石材屋さんだけだった。遺族代表の挨拶といった堅苦しいことは省略して、住職に「よろしくお願いします」と言った。
住職から読経をいただく。その後、父と母の遺骨を納め、焼香へと進む。父の遺骨は実家のお墓から取り出した後ずっと石材屋さんが保管してくれていた。母の遺骨は四十九日法要から昨日までずっと自宅の仏壇の前に安置していたものだった。
父母の墓は真夏の太陽の光を受けてまぶしくきらめいていた。石材屋さんが頑張って調達してくれた「天上」という黒系の石種だった。
墓石に刻まれた文字をみて住職がおっしゃった。
「これは仏教にある言葉ですね。とてもいい言葉です」
「ありがとうございます」
思ってもいなかっただけに、「この文字にしてよかった」と思った。
父母の納骨が終わると、全員が合同供養塔の前に移動した。再びお経をあげてもらうと、実家のお墓から取り出したご先祖の遺骨と土が入った骨袋を納骨室に納め、焼香を行った。
真夏で日射病を心配したが、さほど暑くもなく、さわやかな空気の中で式が終わった。
石材屋さんには実家のお墓の撤去から新墓の建立まですっかりお世話になった。