仏壇は夫婦別々に設置するのか、それとも一家に1基でいいのか?
実家には立派な仏壇が据えられていた。高さは自分の身長と同じくらいあった。母が毎日熱心にお参りしていた。それを処分するのは抵抗があったが、実家を処分するために仏壇を含めて不用品はすべて処分することに決めていた。
仏壇を自宅に移設することも一瞬考えたが、自宅が狭すぎて無理だった。代わりの仏壇を設置して、そこに先祖の霊を祀るしかなかった。
しかし、自宅にはすでに小さいながらも仏壇が1基あった。妻の親の霊を祀っていた。
そこで問題が発生した。
妻の親を祀る仏壇とは別に自分の先祖の霊を祀る仏壇を設置するのか?
自宅には仏壇を2基設置するほどの広さがあるわけではなかった。出窓をつぶしてそこに設置する案もあったが、方向がよくなかった。1階と2階に設置すると管理が大変そうだった。そんなこんなでなかなか結論が出なかった。
しばらくして妻が「1基でいいのでは」と言い出した。
偶然にも妻の実家も自分の実家も浄土真宗本願寺派だった。だから宗派上は問題なかった。しかし、いままで妻の親の霊を祀っていた仏壇が、ある日から急に両方の先祖を祀る仏壇になることには違和感があった。それまでたいして信心もしていなかったのに。
ネットで調べてみた。
一家に1基でいいとあった。そもそも仏壇は先祖の霊を祀るためのものではなかった。阿弥陀様を安置する場所だった。
念のため菩提寺の住職にも聞いてみた。やはり1基でいいという返事だった。
そして「過去帳にご先祖の戒名を書いて祀ってください」と言われた。