私の実家じまい

山も田んぼもある田舎の物件は売れるのか?そんな実家じまいに取り組んだ1年間の記録

9月28日 不動産屋の物件調査

空き家バンクに登録するにあたっては、土地家屋調査士による物件調査を受けることになっていた。土地家屋調査士は、町役場が指定することになっていて、その業者は私が媒介を依頼した不動産屋だった。

その不動産屋は、約束の時間より1時間も早くやってきた。

不動産屋の車が実家の前の道路脇に止まると、運転席側からご主人が、助手席側から若い女が降りてきた。以前実家の下見にやってきたときの奥さんとは違って、ずいぶんと若い。

ご主人が「娘です。アシスタントに連れてきました」と紹介してくれた。

 

少し遅れて町役場の担当者も到着した。

皆がそろったところで、家の中に入ってもらい、実家の物件概要を説明した。土地は農地山林宅地など全部で48筆。そして建物。

町の担当者が、宅地の地番が見つからないというので、不動産登記情報のデータを示すと、「字が違っていた」などと言っていた。

説明が終わると、実地調査に移った。母屋から始めて納屋、蔵の順に見て回る。不動産屋さんはその娘と一緒に調査票に何やら記入していった。

そのうち、どこからか音楽が聞こえてきた。移動販売車が食料品や日用品を載せて売りに来たのかと思ったが、そうではなかった。役場の担当者も「聞こえますね」と気にしている。

そこに不動産屋の娘が奥の部屋からでてきた。手には何やら携帯のようなものをもっている。その携帯から音が流れていた。大音量というほどではないのだが、お客さんの家に来て音楽を鳴らしながら物件調査とはいったいどういう神経だろう?

ご主人に言うと、「音楽を聴きながらでないと仕事ができないと言うので」と悪びれた様子がない。

あ然とした。

役場の担当者もあきれ顔だった。