改葬先の場所は、3か所があった。実家のある地元、自宅のある横浜、そして姉や親せきのいる広島市内の3か所。
地元には、実家の菩提寺があったが、永代供養をやっていないということが分かったので、候補から外れた。自分たちが年をとってお墓の管理ができなくなったときに、永代供養してもらえないのであれば、再び改葬先を探すことになる。
横浜は、自分たちが墓参りにいくには都合がいいが、姉たちには遠すぎる。何年か先にはそういう選択肢も出てくるかもしれないが、母が亡くなってすぐの今は無理だ。そう考えると横浜も選択肢から外れた。
必然的に改葬先は広島市内ということになった。
広島市内の霊園の情報を妻がネットでいろいろと集めてくれた。
墓じまいを専門に扱っている業者からは「墓じまいガイドブック」という冊子が送られてきた。そこには墓じまいの手順が掲載されていて、初めての自分にはすごくありがたかった。
それによると、主な手順は、新墓地の確保、石材店の選定、離檀の申し入れ、改葬許可申請、魂抜き法要、遺骨取り出し、墓石の解体撤去、新墓地への納骨という流れだった。
霊園としては、公営のものと私営のものとがあった。
公営の霊園は申し込みできるのが原則広島に住んでいる人であり、自分たちにはその権利がなかった。
私営の霊園はいろいろなタイプがあった。寺院の境内に設けられた昔ながらの墓地、郊外の山を切り開いて開発された新しい霊園、市内中心部の交通至便な場所に建てられた納骨堂など。
それらの中からここはと思えるところをピックアップし、チェックシートで〇×を付け、最終的に寺院墓地2か所、郊外型の霊園3か所を選んだ。
それらの管理会社と連絡をとり、四十九日法要で帰広する日程に合わせて現地見学させてもらうことにした。