私の実家じまい

山も田んぼもある田舎の物件は売れるのか?そんな実家じまいに取り組んだ1年間の記録

4月5日~8日 霊園の現地見学

四十九日法要をはさむ前後の日程で霊園の現地見学を行った。

寺院墓地2か所、郊外の霊園3か所に予約を入れていた。

1日目は寺院墓地を回った。

寺院墓地は市の中心部にあるので、交通の便はいいが、価格が1区画数百万円と高かった。それに墓石代が加わるから、予算的には厳しかった。永代供養をしてくれるといってくれたが、檀家になることが条件だった。実家の菩提寺からは「離檀は困る」と言われていたので、難しかった。

翌日、四十九日法要を済ませると、3日目からは郊外型の霊園を見て回った。郊外にある霊園は、交通の便には劣るものの、価格が安いのが利点だった。

1か所目の霊園は、以前一人で見に来たところだった。広島駅から比較的近い場所にあって、実家に行き来する際に立ち寄るにも都合のいいところにあったが、お墓の向きが山側を向いているのが気になっているところだった。

改めて妻と一緒にその霊園に行ってみると、何段かのひな壇になっていて、ひな壇からひな壇へ移動するには階段しかなく、車いすを利用するようになったら不便になることが想定された。

2か所目は、メモリアルパークと称するところで、新しい形の樹木葬を売りにしているところだった。市の中心部を一望できる場所に立地していることもあって、人気があり、有名人の立派なお墓も建てられていた。

しかし、その分空いている区画は少なく、「今だけ」とお勧めの区画を案内してもらったが、墓標を足元に設置する西洋風のお墓で、上から見下ろすことになじめなかった。

3か所目は、さらに郊外の霊園だった。そこはお寺が経営主体になっていて、「お寺が永代にわたって管理するから安心」を売り文句にしていた。

そのお寺の本坊は、実家と同じ地元にあったが、菩提寺ではなかった。「お寺が経営して大丈夫かなあ」と、現地に行くまでは不安の方が勝っていた。

しかし、現地に着いて車から降りてみると、高台から見下ろす風景に何となく心の落ち着きを感じた。ここも山の斜面を切り開いてひな壇に造成されていたが、苑内の中まで車で入ることができ、車いすでも問題なさそうだった。

お墓はどれも谷側に向かって建てられていた。そこから見える景色は実家の風景に近いものがあった。遠くの山の陰に地元の山々が見えるように思えた。

現地事務所に行くと、この霊園を管理するお寺の住職が待機していた。私と妻は、ここに父と母の夫婦墓を建て、自分たちが管理できなくなったら永代供養にしてもらいたいと希望を伝えた。

檀家のことが気になっていたので、今の菩提寺から離壇するのが難しいことを伝えたが、まったく問題なかった。お墓の開眼法要をやらせてもらえば、年忌法要は今の菩提寺でやってもらって構わないという。

帰り際、住職から「同じ地元という縁でぜひ」と勧められると、断る理由が見つからなかった。

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