私の実家じまい

山も田んぼもある田舎の物件は売れるのか?そんな実家じまいに取り組んだ1年間の記録

3月10日 引き渡し

実家に帰る前に郵便局に向かった。現金を持ち歩くわけにはいかないので、預け入れる必要があった。大金の預け入れに怪しまれないかと思ったが、何も言われることなく無事に預け入れることができた。

それが終わると買主さんと一緒に実家に向かった。

到着すると、玄関の鍵を開けて中に入る。昨年11月以来4か月ぶりの実家だった。

窓という窓を開けて家の中に風を通し、空気を入れ替える。

それが終わると、井戸ポンプの立ち上げだ。ポンプのカバーを取り外し、呼び水栓を開け、水がオーバーフローするまで入れて、ポンプの電源を入れる。すると蛇口から水が出てきた。正直、水が出てくるまでは不安だった。ポンプを更新して初めての越冬だった。凍結とか変なトラブルがなくてよかった。

そうこうしていると、隣家で幼馴染のHさんがやってきた。買主さんに用があった。地域全体の総会への出席案内だった。

用件が済むとHさんは私に言った。

「井戸の水が枯れるのは、長い期間ポンプを止めるのが原因らしい」

初耳だった。これまで家をほとんど留守にしており、その間ずっとポンプの電源はオフにしていた。かれこれ10年以上になる。

これからは買主さんが住み続けるからその心配はなくなる。

 

実家にはまだわずかだが自分たちが帰省したときに使っていた食器類、衣類、布団類などが残っていた。当初の予定ではそれらを処分することにしていたが、買主さんの好意で置いておくことになった。ただし、さすがに衣類だけは持ち帰ることにした。