私の実家じまい

山も田んぼもある田舎の物件は売れるのか?そんな実家じまいに取り組んだ1年間の記録

3月10日 移転登記申請書の提出

実家の引き渡しが終わると、移転登記申請書を提出するため、買主さんと一緒に法務局に向かった。

法務局ではまだ重要な作業が残っていた。

申請書類のホチキス留めだった。

先日の事前相談では、申請書と添付書類とを合わせて左上1か所をホチキス留めするよう言われていた。今朝、不動産屋の事務所でホチキスを借りてやってみたが、うまくいかなかった。そのため、法務局でもっと大きいホチキスを借りようと思っていた。

窓口で移転登記の申請に来た旨を告げると、担当者が出てきて、別の受付窓口に案内された。簡単に自己紹介をして、担当者にホチキス留めされていない申請書類を手渡すと、申請書と添付書類の一つ一つを確認し始めた。申請書類の1頁目に添付書類の名称を書いているので、それと添付書類とを照合しているようだった。

添付書類は、登記済証、登記原因情報、農業委員会の許可証、私の印鑑証明書、買主さんの住民票、固定資産評価証明書、そして登記経緯説明書だった。

確認が終わると、担当者が受領証に今日の日付けを書いて、「3月15日頃に登記が完了しますので、その2~3日後に取りに来てください」という。

私は言った。

「郵送でお願いしたいので、返信用封筒を付けています」

返信用封筒のあて名は買主の買主さんになっていた。

「登記済証は売主さんにお返しするんですが、どうしますか?」

「それも一緒に買主の買主さんのところに返してください」

「わかりました」

 

後日分かったことだが、登記完了証は、申請人である買主と売主の双方に交付されるので、郵送により交付を希望する場合は、返信用封筒を買主あてと売主あての2つを用意する方がいい。

 

私は低姿勢で尋ねた。

「あのー、申請書と添付書類とを一つにまとめてホチキス留めしなくていいんですか?」

「ええ、このままで結構です」

担当者はそういうと、大型のクリップを持ってきて、申請書と添付書類をまとめて挟んだ。

私は、買主さんと顔を見合わせながら、思わず言った。

「どうやってホチキス留めするか、それが最大の悩みだったのに!」

 

法務局を出ると、やっと肩の荷を下ろした感じだった。

買主さんに実家を買ってもらったことへのお礼がしたかった。買主さんに「今夜どうですか?」と持ち掛けると、「いいですよ」と応じてくれたが、肝心の店が見つからなかった。宿泊先のホテルにも断られた。

やむなく「次の機会にぜひ」と約束して別れた。