私の実家じまい

山も田んぼもある田舎の物件は売れるのか?そんな実家じまいに取り組んだ1年間の記録

2021年2月21日 葬儀を終えて

葬儀はあっという間だった。

亡くなったのが真夜中だったこともあり、その日の夕方に通夜、翌日は告別式、初七日法要を行うと、2日目の午後2時過ぎには終わっていた。

葬儀場はJAが運営するホールだった。以前は故人の自宅で行われていたが、過疎化と高齢化で近所の応援が得られなくなっていた。一昨年叔父の葬儀もここで行われていた。それまでは母の葬儀は実家でと思っていたが、そういうことはもうできなくなっていた。その意味で実家を残しておく必要性はなくなっていた。

 

葬儀が終わると、母の遺骨が納められた骨壺箱が目の前にあった。思っていた以上に大きなものだった。縦横が30センチ、高さは40センチくらい。重さもそれなりに重い。

さしあたってこれをどうするか?遺骨を埋葬する四十九日法要までは、どこかに安置してその間お線香をあげないといけない。

亡くなった母のことを考えると、実家に持ち帰って仏壇に祀ってあげるのだろう。しかし、実家はつい3日前に降った春の大雪で雪に埋もれていた。誰も住んでいない実家を開けるには、まず雪かきからしないといけない。そこまでして持ち帰ったところで、すぐに自宅のある横浜に戻ってしまうので、その間線香をあげることもできない。

横浜の自宅に持って帰るか?しかし、着替えや喪服など他に荷物も多い中、新幹線に乗って横浜まで持って帰るのはちょっとためらわれた。四十九日法要のときには再びこちらに持ってこないといけない。

そもそもどこに埋葬するかも決めていなかった。実家の墓地には父の墓があり、墓石の父の戒名の左にはスペースが空けてあった。

常識的には父が眠っているお墓が夫婦墓なのだから、そこに埋葬するべきだろう。しかし、実家の墓地は斜度が30度はあろうかという急な山の斜面を50mほど登った山の中にあった。母ですら80歳を過ぎたころから墓参りに行けてなかった。

以前は漠然と、一旦はそこに埋葬して、13回忌が過ぎた頃に適当な墓地を見つけて改葬するくらいに考えていたが、いざ現実となると、それは非現実的だとわかった。山の中のお墓に埋葬するには、墓石を一旦そこから降ろして、戒名を彫ってもらい、再び元の場所まで運び上げなければならない。そして数年後に改葬するというのでは、あまりにも不経済である。

いずれ改葬するつもりがあるなら、なぜ今やらないか。もしその間に私に何かがあったら、あとに残った妻か息子がそれをすることになる。二人とも私が生きているうちにやってほしいと願っていた。

 

どこに埋葬するか、今すぐには決められないが、少なくとも実家のお墓には埋葬しない。そう決めると、四十九日法要まで菩提寺のお寺に預かってもらうしかなかった。

 

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